美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
高貴なイメージのあるパープルとピンクを主体にして雰囲気のいい花束をお作りした。
「なかなかいいね。これなら母は喜びそうだよ。そういえば、ここは君の店なの?」
「いえ、伯父の店です」
「そうだったんだ。じゃあ、ふたりでやってるの?」
「はい。今は伯父が身体を壊していて、伯母とふたりでやってます」
「それは大変だろう。重たいものもあるだろうし、男性の力がないとなかなか……」
「そうですね。だから、あまり大きいものは扱わないようにしています」
「無理しないで頑張って。じゃあ、夕方四時くらいまでに頼むよ」
「はい……必ずお作りしておきます。ありがとうございました」
綺麗な笑顔を残して彼は去って行った。