美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 自分ではこの格好を気に入っているのだが、彼の横に立つのはとても勇気がいる。

 だって、彼は本当にモデルか俳優みたいに見える。

 その彼が私だけに笑顔を見せてくれる。ノックアウトされてしまいそう。

「どうした?可愛い顔して、おい……」

「デ、デートとかいうから、その……」

「デートだろ?だめなのか?」

 サングラスを上げて私をじっと見た。だから、やめて。直視できない。下を向いたまま聞いた。
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