美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 周りの人が驚いてこちらを見ていた。

 もう、気にしない。今日はこの玲瓏皇子のお姫様になると決めた。

 シンデレラかもしれない。時間が来ると終わるのかもしれない。クルーザーもカボチャに戻る。

 * * *

 白い船。とても素敵だった。内装は木目も美しく、磨き上げられている。船内にバーカウンターまである。

 さすが造船会社御曹司の個人船。

 私も船に乗せてもらったことはある。それでもこれだけのいい船は初めてだ。プライベートクルーザー。
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