美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
それより素敵なのは運転する彼の姿。サングラスをして舵を切る彼を見るだけで胸がどきどきした。
多くの女性が虜になる気持ちはよくわかる。私は彼の身分や背景を考えて好きになったわけではないが、この美貌とお仕事ぶり。
デートと特別扱いされて舞い上がらない女性がいないとしたら嘘だろう。かくいう、私でさえ、身分違いはわかっているが夢心地になった。
彼はとある場所まで来ると自動運転にして、港の方向を見つめた。
「このあたりから空を見るとどうかな」
「そうですね、西側にお日様が沈むのも見えます。月が白く上がってくればそれも見えるでしょう」
「そうだな。ライティングした港の夜景も見える。花火が上がるまで楽しむこともできそうだ」