美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「初めてなんだ。こんなに女性が気になってしょうがないのも、自分から電話をかけたりするのも……」

「神崎さん」

「蓮……。蓮だよ。さくらって呼んでもいい?」

 彼がアイスティーをテーブルに置いて、私の横に来た。

「君は僕をそういう対象にはできない?僕のことが気にならない?」

 すがるような眼で私に聞いた。驚いた。固まった私の手からアイスティーを受け取った彼はテーブルに置く。
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