美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「私は……もちろん、今だって夢みたいだと思っています。蓮さんのような雲の上の王子様とこんな船でデートなんて……シンデレラで丘に上がれば終わりかなと思いました」

 彼は私の顎に手をかけるとじっと目を見た。

「シンデレラになんかしない。君がいいんだ。僕とつきあってほしい」

「蓮さん……」

「好きだよ、さくら。君は?」

 目の前に彼の顔があった。

「……好き。私もあながた好きです」
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