美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 驚いて飲み込みそうになってしまい、びっくりして水を飲んだ。甘い言葉を平気で口にする。

「さくら?何赤くなってんだよ」

「もう。そんなだから、女性に勘違いされるんですよ」

「何が?」

「会いたかったとか……すぐに言うから」

 むっとした蓮さんは私をにらんだ。

「何言ってんだよ。それなら、さくらは会いたくなかったのか?」

「そんなわけないじゃない。電話もくれなくて……付き合う前は毎日のように電話くれたのに……さみしかった」
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