美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「ああ、焦らせるつもりはないけど、君を逃す気はさらさらない。のんびりでもいいよ。最終的に君は僕の隣にいるからね」

「蓮さん!何それ?」

 おいしそうにチョコレートケーキを食べながら、にっこりする。

 今の言葉ってプロポーズなの?まだ付き合いだしたばかりだし、そんな決断は到底無理だ。

 身分違いはわかっているし、実は伯母にも伝えてない。

「気にすることは何もない。もう君は僕のものだ。すべて僕に任せてくれ。それに、さくら。君はまだ道半ばだろ」

「え?」

「店のことだよ。この間、実は名取と都内で会った」
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