美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「君を迎える準備をするとあの時も言っただろ。絶対逃がさない」

 彼はつらそうに私を見た。彼に手を向けた。こんな顔をさせたかったんじゃない。

 彼は私の手を握り、口元に持っていくとキスをする。

「あ」

「……君がいない世界で僕は息ができない」

「蓮さん……ああ!」

「さくら、君だって……そうだろ?」

「あああ」

「見ろ……僕らは……もう離れられない」
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