美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「さてと、さくら姫」

 彼は上から下へと私を見て、にっこりする。まぶしすぎる。

「今日は希望通りスカートで来てくれたようだな。可愛いぞ」

 膝より少し短いふわりとしたスカート。夏らしさを意識した水色に花柄だ。

「ええ。蓮王子のご希望とあらばお応えしないといけません。王子は今日も素敵ですね」

 彼は恥ずかしそうにしている。なんか、嬉しい。

 今日の彼は半そでのブランド綿シャツ。同じブランドの少し短めのパンツ。デッキシューズ。夏らしい装いだ。
< 212 / 403 >

この作品をシェア

pagetop