美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「さてと、さくら姫」
彼は上から下へと私を見て、にっこりする。まぶしすぎる。
「今日は希望通りスカートで来てくれたようだな。可愛いぞ」
膝より少し短いふわりとしたスカート。夏らしさを意識した水色に花柄だ。
「ええ。蓮王子のご希望とあらばお応えしないといけません。王子は今日も素敵ですね」
彼は恥ずかしそうにしている。なんか、嬉しい。
今日の彼は半そでのブランド綿シャツ。同じブランドの少し短めのパンツ。デッキシューズ。夏らしい装いだ。