美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

『それが理由だとしたら、僕と付き合うメリットが君にはないようだけどね』

『何言ってるの?相変わらず自分が何者かわかってないわね。あなたは特定の彼女を全く作らない。どんな美人にもおちないベリが丘の玲瓏皇子。もしおとせたとしたら私にはどれほどの賞賛が待っているかしら?』

『賞賛?そんなもの、僕じゃなくても君は簡単に手にできるだろ?』

『あなたがいいのよ。選ぶのは私。私が選んだのはあなた。返事、気長に待ってるから』

 そう言っていた。

 僕は大学二年で留学して、戻ってきたらあっという間に卒業だった。

 もう一度声をかけられることもなく、あれは冗談だったのかと思うほどの自然消滅。
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