美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「知っていると思う。名取が話していないとは思えない。僕らは大学の同窓だったし、名取は彼女に大学時代アプローチしていたんだ」

「……なるほど。裏があるかもしれないな。というかお前、学生時代の友人にはめられるような情けない関係なのか?」

「いや、清水さんが絡んでいるとそういうこともありうる」

「ふーん、利益相反か……いや、お前たちの関係が実際はどうあれ、巻き込まれる清水さんにとっては迷惑だな」

「だから、林大臣の縁談だけは早期にお断りをしたい。そのため、大臣にお会いしろというなら従う。僕は何をすればいい?」
< 232 / 403 >

この作品をシェア

pagetop