美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……やだ、優華さん。そんなこと言ってまた、本気にしますよ」

「何よ、芹那。本気ならうちに来る気あるのかしら」

 ふたりの息の合ったやり取り。知り合いなのは本当なんだろう。でもこのままだとまずい方向へ話が行くと思い、間に入った。

「相良さん。申し訳ございませんが芹那さんはうちの大事な戦力です、それだけはご勘弁ください」

「ブラッサムフラワーを閉めてしまってびっくりしたわ。店長のお加減はどうなの?この店をどうして始めたのかと思っていたら神崎造船の副社長といい関係だったとは……。あの人誰にも落ちないと有名だったのに、やるわね、清水さん」
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