美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 私はびっくりした。こんなコメント金曜日はなかったと思う。どういうことなの。

「まあ、何とかしたほうがいいですね。実は彼に出資してもらっていたとか、アドバイスをタダでもらっていたとか……恋人だから?ま、いろんな噂が流れますからね。気を付けたほうがいいですよ」

「……」

 彼女は私に見せたことのない白い眼を向けた。

「店長が隠していたように、私にも考えっていうのがあるんですよ。ここにわざわざキャリアを中断して戻ってきた。名取君に頼まれたからっていうだけじゃない」

「……名取君って……」
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