美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「蓮さんからですか?同級生だったことも、何も聞いてません」

()()()、ね。あいつもさくらって呼んでた。お前ら本当に付き合ったんだな」

「名取さん……」

「いや、釈明しておく。俺は知らなかったんだ。知っていたらそこへ配属しなかった」

「何の話です?」

「……はあ。落ち着いて聞いてくれ。あの二人には今現在縁談があるそうだ。二人の親経由の話だ。芹那は国交大臣の娘で、蓮の父親は避けて通れない」

 私は二度目のハンマーに頭を打ちぬかれた。
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