美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「うちに新しく本部から入った林芹那さんという従業員です」
「……林芹那……もしや……」
「名取社長に聞きました。彼の同級生で……縁談もあるそうですね」
「そうでしたか。ようやくわかりました。蓮様ご自身で大臣にお目にかかる手はずをつけろと言われてまして、約束は取り付けましたのでご安心ください」
「約束って……」
「もちろん縁談を断るためです。蓮様があなたに黙っているのは心配をかけたくないからでしょう」