美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 そこまでしたら、彼との友情は終わると思うのだ。彼が私を愛していることは名取さんもよくわかっているからだ。

 彼との逢瀬は区切りになるだろう。

 伯父は手術の経過が良好で、うまくいくといずれ退院できるかもしれないという話だった。

 伯父は私が独立することを強く推してくれていた。

 名取に入ったことも反対はしなかったが、いずれ伯父の店を継ぐなら自分の名前で勝負するか、名取をいずれやめるかしたほうがいいと言われたのだ。

 ようやく本来の道が見えてきた。
< 266 / 403 >

この作品をシェア

pagetop