美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「神崎副社長、初めてのご注文ありがとうございました。お礼に少し教えて差し上げます。寵愛なさっているブラッサムフラワーの清水さん。私も昔から知っていますけど、いい子ですね。ただ、店に入った林芹那のこと覚えておられます?」

「……君」

「芹那と副社長は大学の同窓でしょう。彼女の姉と同級生だったので、こちらに住んでいたころのことも知っています。芹那が急にフラワーアーティストになりたいと私に三年前相談してきました。留学先を紹介して一年ほどして戻ってきたら父親の力と名取の名前であっという間にメディアにとりあげられて有名になったんですよ」

「そうだったのか」
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