美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「正直、清水さんはまっすぐで私は好きなんですけどね、芹那にはご注意くださいな。大体フラワーアーティストになったのも、父親から離れたかったからと言っていたのに、どういうことなのか……この間大臣がお見えになって彼女がここへ戻ったことを喜んでおられました。副社長のお名前を出してね」
「……まさか、君……」
「誰にも言ってませんから安心してください。私、駆け出しのころにブラッサムフラワーの前の店主に救われたことがあるんです。お金もなくてね、花を少し融通してもらったの。店長の姪である清水さんもいい子だと思っていました。名取じゃなければうちでと思っていたくらいなの」
「君はさくらの味方なのか?」