美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「大体、私じゃ身分違い。わかっていたけど、言えなかったことを周りに指摘されちゃった」

「身分って何時代のはなしだ?今は令和だぞ。馬鹿らしい、君は君だ。それより、そうだこれ……」

 彼はサイドボードの上にある大きな花束を持ってきた。

 赤いバラの花。シャンパンフラワーのものだ。これのことだったのね。

 本数は……ざっと見たところ100本はあると思う。職業柄見ただけでこういうのは本数がわかってしまうのだ。

 まさかね……。
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