美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……蓮さん」

 そういう優しさも持ち合わせている完璧な王子様。

「シャワーを浴びておいで。そろそろ、食事が届く頃だ」

「お言葉に甘えてそうさせてもらうわ」

 シャワーから出ると彼がルームサービスでとってくれたおかゆを中心とした料理を見せてくれた。

 入れ違いで彼がシャワーを浴びている間に私は髪を乾かして軽くメイクした。

「さあ、おいで」

 彼は私を自分の横に座らせると、親鳥よろしく私の口にスプーンを入れ、食べさせ始めた。
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