美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
彼は鏡に映る抱き合う私たちを見せた。
彼を待ち続けた身体は正直だった。どんな嘘もすぐに見抜かれた。
「さくら愛してるんだ……戻っておいで……そして僕の妻になるんだ」
ずっと同じことをうわごとの様に口にしながら、何かをかなぐり捨てた彼は今までとは違って見えた。
そして、ありったけの想いを身体で表現して、私を抱き続ける。
「ああ……!」
あまりの激しさにすがりついた。彼の汗が身体に落ちてくる。