美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「知りたかったら戻ってこい。一年たたなくてもいいんだぞ」

 腕を引っ張られ抱きすくめられ、ベッドへ運ばれる。

 そのまま朝まで愛される。彼は相変わらず私を恋人として愛してくれていた。

 ベリが丘を離れて4か月経ったころだった。名取さんと久しぶりに食事をした。その際に言われたのだ。

「清水。報告がある。知っているかもしれないが、林芹那はベリが丘の店長をやめて、またイタリアへ行くそうだ。今度はいつ帰ってくるかわからないとか……」
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