美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……ええ?!どういうことです」

「店はお前がいなくなって最初の一か月は同じくらいの売り上げだった。ところがそれ以降売り上げが落ちてきた。半年後の今や半分くらいだ」

「どうしてです?」

「アレンジ教室も終わり、ビジネス街はお前のアレンジが気に入っていたとかで彼女に代わってから契約が激減した。セレブ連中はわざわざ彼女の顔を見に行くほど暇じゃない。最初は一度有名な彼女を見に行くのが目的で来店していた。だが、あいつは気位が高い。客商売には基本向かなかったというわけ。お客様は気づいたんだろ。つまり、店はお前がいてこそだったのさ」
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