美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
何なんだろう。せっかく鎮火した火に自分からまた火をつけるようなことを言うなんて、しかも私に何も言わずそんな質問に応じるなんて信じられない。
「ご結婚をじらしているんですか?どうしてですか?」
私はびっくりした。
「……じ、じらしているなんて、違いますよ」
「やっぱりお付き合いしているんですね」
インタビュアーがにっこりした。まずい。
「えっと、そうじゃなくって、えっと……」