美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 久しぶりの逢瀬。彼の熱を浴びて、帰るために何をすべきか真剣に考えようと決心した。

 彼から離れるなんて所詮私には無理だと夕べ痛感した。

 彼は忙しく、向こうにいた時もほとんど会えなかった。そんな時、彼は通りすがりにアイコンタクトをしたりして顔を見る時間だけ作ってきた。それも距離が近いからできたことだ。

 離れてぱったりと会えなくなった。電話かメールがほとんどの一年だった。でもしょうがない。自分で選択したのだ。

 どうやらお仕事が本当に忙しいようだ。

 お父様の仕事の半分を肩代わりするようになっていると椎名さんからも聞いている。
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