美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「庭園?」

「ご案内いたします」

 コンシェルジュに案内され、中層階へ。あちらですと言われ、エレベーターを降りるとライトアップされた美しい庭園が見えた。

「……わあ、すごい、なんて綺麗なの!」

 足元にはたくさんの小さな花々。夕焼けがきれいに見える。

 花はもう少し閉じかけているが夕方のほうが花の香が強くなる。きんもくせいの香りが漂う。庭園はたくさんのバラが植えられ、アーチになっているところもある。コスモスが秋風に揺れている。

 そういえば、そうだった。このオーベルージュは中階に大きな結婚式も出来る会場がある。とある映画で一度使われて噂になった。
< 345 / 403 >

この作品をシェア

pagetop