美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……蓮さん」

「今度こそ、どこにも行かせない。僕と結婚してください、清水さくらさん」

「……喜んで。こんな、何もない私でよければあなたの側に一生いさせてください」

 私は花束を横に置くと、彼に腕を引っ張られそのまま噛みつくようにキスをされた。

「……あ……ん……ん」

 私はフラフラになるほどの深いキスに足が折れた。

「愛してる、さくら」

 そう言うと、彼は花を持って私をあの部屋へ連れて行った。
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