美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「あの、お二人はお知り合いだったんですか?」

 さくらは名取に聞いた。

「お知り合いというか、大学の同窓なんだ。まあ、彼の方がかなり金持ちだけどね」

「何だ、その言い方。お前が言ってたんだろ。生まれは選べないから、蓮は別に偉くもなんともないって……」

 さくらが驚いて名取を見た。苦笑いしている。

「いやまあ、学生の時だから許せよ。お前の周りは本当に色んな人があふれていて、そうでも思わないと一緒に友人なんてやっていられなかったよ」
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