美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 私の指のサイズにピッタリだ。しかもとてもしっくりくる。なんだろう。どうしてなの?彼はこうやって私の前を歩いて全部私にいいものを探してくる。

「どう?」

「信じられないくらいピッタリなのはどうしてなの?蓮さんはどうして、なんでも私の好みや希望がわかるのかな?」

「それは当然だ。店長どうかな?」

「ご注文へいらした際にお話しされていた特徴通りですね。指がすっとまっすぐで指は細長く、爪の形まで卵型だとご説明してくださった。どれだけ奥様になられる方をご寵愛かよくわかりました。似合うはずです」

「……うそ」

 私は驚いて口元に手をやった。
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