美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「いらっしゃい、神崎君。おかえり、さくら」
「……伯父さん、伯母さん、ただいま!」
私は彼らに抱き着いた。
「まあ、素敵な服。綺麗よ、さくら、そういうことなのね」
伯母は私を見て感嘆した。伯父が促す。
「さあ、入りなさい。神崎さんもどうぞ」
彼は部屋に入ると、居住まいを正し、二人の前で頭を下げて言った。
「お二人へご挨拶させてください。姪のさくらさんを私にください。昨日、彼女にプロポーズして応じてもらえました」