美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「しょうがないですよ。普通の人はここを見たら驚きます、ね、清水さん」

「……」

 コクコクと頷く私の顔を覗き込む。私の背中をおした。

「さあ、行こう!」

「れ、蓮さん!」

「ここは君の家になるんだぞ、さくら」

「……!」

 奥の部屋に入ってまたびっくりした。何ここ?

 西洋風のテーブルに燭台。シャンデリア。ぐるりと囲む美しい洋風家具の数々。大きな花。目が回りそう。
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