美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 お父様が私に茶目っ気のある笑顔でお聞きになる。

「……さくら?」

「あ、はい。でも、こんな私でいいんでしょうか?」

「いいんだよ、何も問題ない」

 蓮さんが先に答えてしまった。お父様はまだ何もお答えになっておられない。

「蓮さんに聞いてません……」

 私は小さい声で言った。

「……うふふ。面白いわね、あなた」

「ああ、清水さん大丈夫だ。蓮がいいというんだからいいんだ。あとのことはこいつに任せておけばいい。もちろん私達も君の為に手助けするよ。家族になるんだ」
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