美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「大丈夫ですよ。幸い、私もいまだ現役でいろいろやっています。それにね、昔ほど面倒なこともなくなりました。まあなんとかなりますよ」
「奥様」
「あら、ぜひおかあさまと呼んでほしいわ」
「!」
「私もさくらさんと呼んでいいかしら?」
「はい、もちろんです、お、おかあさま……。私のことは呼び捨てでも構いません」
「うふふ。いい響きね。おかあさま……。やっと呼んでくれる人が現れた。待ちくたびれました」
私はお母さまと笑い出した。