美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「蓮さん。せめて、週末だけとかにしたらどうかしら?」

 なぜか婚約したのに彼は日々機嫌が悪くなっていく。

「ああ、さくら。何のために君はベリが丘へ戻ってきた?仕事の為じゃなかろうな?」

「店を作ってまで私をここへ戻したのはどこのどなたでしたかしら?」

 彼は私に抱きつくと、ため息をついた。

「やはり、同居しよう。ノースサイドに越してこい。そうじゃなければ僕がここに住む」

「蓮さんたら……」
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