美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「結婚式はオーベルージュを使うなら来春がいいわ。ここに住んで、仕事以外の時間はここで打ち合わせをしましょう。事前に意向を聞いておけば私も手伝えるわ。あなたは自分の決めるべきことをやってくれればいい。招待客関連はすべて私達夫婦が考えます」

「ありがとう、母さん」

「わがままを許してくださりありがとうございます。よろしくお願いします」

「さくらさんには新しいここでの生活、立ち居振る舞いなど、最低限結婚式までに覚えてもらえるといいわね。あなた付の人選もしてあるのであとで私のほうからその説明はしますね」

 すると、お父様は別なことを言い出した。

「蓮、二年後に社長職を継ぐようにしてもらおうか」

「父さん」

「頃合いだと言ってあったな。仕事も本格的に共有する。そのつもりでいろ。まあ、結婚式後の一年に集中させるが、ここ一年は結婚式の準備と並行してやっていこう」
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