美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「ベリが丘王道のラグジュアリーなクリスマスを僕らも体験してみないか?」
「ありがとう。楽しみだわ」
彼の胸に顔を寄せた。彼が抱き寄せる。
最上階のホテルレストランは何度も行った。何しろ噂の出所だ。
その日はレストランに頼んで、クリスマススペシャルディナーを部屋に運んでもらった。
イブのホテルレストランだ。私達が現れると、ここで何度も噂になっているので他のカップルのせっかくのロマンチックな雰囲気を壊してしまう。邪魔したくなかった。
それに、彼が取ってくれたスイートルームで私達二人きりの甘いクリスマスを過ごしたかった。
私はその日思い出のドレスを身にまとった。
彼と再会したツインタワービルのラウンジに着ていったあのピンクのドレスだ。髪はおろした。
彼は私の長い髪が好きだと言って、手に私の黒髪を巻いてキスをするのが大好きだ。