美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
彼の生活はノースサイドでも有名な洋館、神崎邸にある。
その妻となった私は、あの洋館を中心にセレブの仲間入りを果たし、ベリが丘のラグジュアリーを日々体感している。
でもそれだけじゃない。
私にとっての本当のラグジュアリーは、宝石のような美しい彼を見つめながら常に過ごせるこの瞬間にあるのだ。
「最近、君はまぶしいくらい美しくなった。そのせいで、君を目にした連中が皆口をそろえて僕をからかうんだ。選びに選んだ理由がわかったとね。正直結婚式もしたくない。誰にも君を見せたくない。君を閉じ込めておきたいくらいだ」
プイっと横を向いて膨れている。何なんだろう。
「このラグジュアリーな結婚生活で、私は皆さんに磨いて頂いただけよ。ただの石ころだったけどあなたの横にいるとあなたの光をもらうことができる」
「美しい君にこれを……」