美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

ポケットからダイヤのネックレスを取り出した彼は私の首にかけた。

「これ……」

「クリスマスプレゼント。指輪とおそろいにした。ようやくできて来たよ。後ろに二人の名前も入れた」

「とても素敵だわ。本当にありがとう。私もあなたにプレゼントがある」

 彼の腕に私の腕にしていたふたつの腕時計を一つ外して彼につけた。

「ペアよ。刻印も入っているわ。都内にいた時から買ってあったの。一目ぼれしてしまって、あなたのような人にあげるには少し普通過ぎて迷ったの。でもどうしてもあなたとつけたかった」

「ありがとう。うれしいよ。首輪と腕輪。お互い相手を繋いでおきたいんだな」

「うふふ、そうかもしれないわ。蓮さんは、私に繋がれてくれる?」
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