美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「それはそうだろう。彼女の店は俺の協賛だ。花はうちの船が運んでる。入荷する花の種類を変えるのもうちの許可がいるが、まあそうだな。僕が椎名に言って書類を作らせ、そこにポンと僕がハンコを押せばすんなり進む」
驚いた。口に手を当ててあっけにとられる。この人いったい……。
「か、神崎さん……ち、違った、すみません。神崎副社長。あの、その……」
「君は面白いね。僕に花を提案したときはあんなに強気だったのに、今はそんな綺麗な格好してあっけにとられた顔してる」
「蓮、わかった。お前のアイデアも盛り込んで彼女にプランニングをさせていい。その代わり、口を出すなら責任も取ってもらうぞ。何かあれば俺一人で被ることはしない。そこだけは書面に残してもらう。いいな」
神崎さんは手をひらひらと振った。