美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「ということは、お仕事の関係ですね。それにしては嬉しそうですよ。よほどの取引が決まったとか?」

「いや、そうじゃない。お前に話したら怒られそうだ」

「は?」

 彼は私にソファへ座るよう命じた。私は時計を見て静かに答えた。

「申し訳ございませんが、猶予は15分ですよ」

「ああ、わかっている」

 彼は私の前に座ると、単刀直入に言った。

「以前、ベリが丘の区長から話があった文化祭典の件だ」
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