美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……今、花屋って言いました?」

「そうだな」

 満面の笑みでにこにこしている。この人は有能で女性遊びも全くせず、いわゆる社畜に近い。

 そのせいか、たまに疲れて壊れる。よほど忙しかったのだろう。

「蓮様、きっとお疲れなんですよ。いいですか?変な遊びはいけません」

 彼は手を前に出して振った。

「ああ、わかってる。小僧じゃあるまいし、お前に叱られるようなことはもうやらないよ。ビジネスとして協賛するのさ」
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