美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「だからといって、珍しがってそんな一般人で遊んではいけません。相手をびっくりさせますよ。うまくいくはずがないでしょう」
「誰が恋愛相手だと言った?」
「違うんですか?」
「さすがにそこまで考えてはいない。ただ、話していて面白いし、なんというかこう、歌っている姿もおかしくて……」
「……はあ?歌っているってなんですか?」
「まあ、とにかく聞いたところあの子の店は資金難だ。名取の名前を使い、支店を出させるついでに店を合併させてやろうと思ってね。ブラッサムの資金が足りない分は僕が出すと名取にも伝えた。そうなれば店の権利半分は僕のだ。最初から僕が経営に口出しすることも許可させた」