美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「何を言っているんです?どうして名取フラワーズに出資するんです?いくらご友人とはいえ……」
「名取フラワーズの支店は名目上だ。彼女の最終目的は独立。今の店ブラッサムフラワーを大きくすることなのさ。僕はそれを内緒で彼女から聞き出した。だから、ちょちょいと手伝ってやるのさ。独立して名取をあっと言わせてやる。楽しいだろ?」
何を言っているのか皆目わからない。うちにメリットは全くない。造船業と関係がないではないか。
「なんの必要があって異業種に手を出すんです?」
「……うーん。新しいことへの興味」
「蓮様!」
「まあ、いいだろ。母上も彼女の作った花束を気に入ってね。僕の考えに賛同した。そうだ、聞いて驚け。彼女の花言葉作戦に沙織さんが僕から手を引いたぞ」
「……!」