美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 びっくりした。どういうこと?名取さんへ返信のメールを送ったらすぐに着信があった。

「はい、清水です」

「ああ、メール読んだ?」

「ええ……。驚きました。どういうことですか?」

「どうも、こうもない!あいつ、思い付きで急に花屋をやるとか、お前に触発されたのかもしれないが、何を考えているのか腹が読めん」

「……あの……」

「あいつは仕事が生きがいだ。今までどんな美人から言い寄られても袖にしてきた。いくら仕事一筋でも会社はまだ父親がいてあいつの好き勝手はできない。退屈しのぎにお前を使って花屋で遊ぶ気なんだろ。俺を巻き込んでふざけた奴だ」
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