美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
驚いてブラインドを少し指で引っ張り覗くと白い有名なエンブレムの高級車が停まっている。
びっくりした。急いで伯母に告げると外へ出た。春先だがまだ少し夜は寒い。コートを取りに行きたかったが、車ならいいかと両手で身体を囲いながら歩いた。
彼は急いで車から出て、私の背中に自分の背広をかけてくれた。
「寒いんだろ」
びっくりした。本当によく見てる。
「……すみません」
彼は私を助手席に導いた。驚いた。ここでは、副社長くらいの人は運転手付きの人がほとんどだからだ。