結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました


幸せな夢を見たと思った次の瞬間、酷い頭痛に襲われた。

イテテ。

なんでこんなに頭が痛いの。喉も渇くし。

「頭痛薬飲みますか?」

寝たまま頭を押さえていたら男性の声がしてドキッとした。
目を開けると上から私を覗き込む端正な顔があった。

……北沢先生!

「どうして先生が?」
「君が僕の部屋のインターホンを押したからですよ」

え? 何の事?

「全く、夜遅くに人の部屋のインターホンを何度も押して」

先生の手が私の頭を撫でる。優しい触り方に胸がきゅんとする。

「本当、九条さんは仕方のない人ですね」

フフッと口の端を上げて笑う先生は何だか機嫌が良さそう。

「……という事はここは1001号室?」
「そうですよ。昨夜は偶々こっちに帰って来てたんです」

じゃあ、今、寝ているのは先生のベッド!

「す、すみません! ご迷惑をかけました!」
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