結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

「先生いないから！　学会で昨日出発したの」
「そうなんだ。いつ帰ってくるの？」
「明後日」
「残念。先生に会いたかったな」
「先生、白ねこカフェに来るんでしょ？」
「偶にね」
「舞子、くれぐれも先生には言わないでよ」
「何を？」
「だから、その……私が先生を好きだって事」
「なんで隠すの？」
「だって、先生は恋愛感情のない結婚を求めているから。私の気持ちを知ったら先生を困らせるでしょう？」
「そうかもね。桜子との結婚をやめるかもね。でも、桜子はその方が都合がいいんでしょ？」
「え……」

またズキッと胸が痛くなる。

「もうっ、今にも死にそうな顔をしないでよ。わかった。わかった。桜子の気持ちは内緒にしておくよ。本当、桜子は素直じゃない所があるよね。それとも自分の本音に気づいてないの？」

私の本音？
首を傾げると、クスクスと舞子が笑う。

「先生と結婚したいって顔に書いてあるよ」

ぼっと顔中が熱くなった。

「な、な、何言ってんの！　け、結婚だなんて……」

恥ずかしくて堪らない。なんでこんなに恥ずかしいんだろう。