結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました
「桜ちゃんのせいよ! 桜ちゃんには責任を取ってもらいますからね」

悪い事があると桜ちゃんのせいよと瑠璃さんは昔から言って来た。
本当にこの人は相変わらず勝手な人だ。

「私には関係ないと思いますが」
「何ですって!」
「藤堂さんは姫香とお見合いしたかったみたいですよ」

ラウンジで藤堂は父に姫香を紹介して欲しいと話していた。

「デタラメな事言わないで頂戴」
「デタラメじゃないです。藤堂さんが父に話していたのを聞きましたから」

父に視線を向けると「桜子が言った通りだ」と珍しく私の言葉を擁護してくれた。

「姫香はダメよ。あの子は容姿がいいからもっといい所に嫁がせるんだから」

えっ……。

つまり、姫香を使って玉の輿を狙っているって事? 全く信じられない人だ。
少し姫香が気の毒になった。
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