結婚願望ゼロだったのに、一途な御曹司の熱情愛に絡めとられました

唐突なプロポーズ



ホテルからタクシーでツインタワーに移動した。タクシー代を払おうとしたら先生に先に払われてしまった。一応、割り勘を要求してみたが、却下された。先生は私にお金を使わせたくないようだ。

エレベーターを高層階で降りると、上品な黒スーツの女性スタッフに出迎えられた。ラウンジかレストランか聞かれて、先生はラウンジと答えた。

女性スタッフは私たちを窓際の景色がよく見える席に案内してくれた。
窓からはベイエリアがよく見える。さっきまで先生といたホテルの先には港があり、豪華客船が停泊していた。

「いい景色」

青空と海を見て爽快な気持ちになる。

「九条さんに気に入ってもらえて良かった」

向かい側に座る先生が穏やかに微笑んだ。先生は私とは違い、この場所に慣れているよう。VIPになっている程だからよく来ているのかも。

「ケーキは何を召し上がりますか?」

先生がメニューを見せてくれた。
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